季節の野菜で学べる美味しい十二のレシピ⑤〜そら豆〜

季節の野菜で学べる美味しい十二のレシピ⑤〜そら豆〜

そら豆といったら、絵本『そらまめくんのベッド』を思い出しませんか。
雲のようにふわふわで、
綿のようにやわらかいベッドを持っているそらまめくん。
他にも、グリンピースの兄弟や、さやえんどうさん、
ピーナッツくんといったお豆の友だちが登場する、
豆好きにはたまらないお話です。笑
実際のそら豆のさやの内部は、ふわふわです。
個人的に私は今でも、そら豆をさやから出す時は、
そら豆くんのベッドだなぁと心をほっこりさせています。

さて、そんなウキウキワクワクそら豆ですが、
空に向かってさやを伸ばす姿がなんとも健気で、特徴的です。
そんなそら豆の歴史は長く、
5000年以上も前から栽培されていたそうです。
若い豆はそのまま野菜として、
完熟した豆は和菓子の餡の原料として、
また中華料理の代表的な調味料「豆板醤」も、そら豆が主原料です。
何だかどんどんそら豆が好きになってきますね♪

そら豆のさやは大小ありますが、
平均して15センチほどの長さです。
そのさやの中には、
なんとも愛らしい形のお豆が、3個から5個くらい入っています。
そら豆自体は大きいもので約3センチくらいあります。
キレイな黄緑色の空豆をつまんでみると、
膨らんだ部分の外側のフチに(爪とも呼びます)
お歯黒とも呼ばれる黒いラインが入っています。
何だかにっこり笑っているようです。
お野菜のほっこりランキングがあったら、
上位に入ること間違いなしです。多分。笑

そら豆はかわいいだけではなく、栄養価も素晴らしいのです。
効用としては、
美肌作りに役立つ抗酸化作用の高いビタミンCがたっぷり入っています。
骨や血液の生成を助ける鉄などのミネラルも含まれるので、
貧血予防にもオススメです。
また、食物繊維たっぷりの皮ごと食べれば便秘の解消にもなります。
たんぱく質・ビタミン・ミネラルがバランスよく含まれる、
とっても健康的なお野菜なんです。

ただし、注意は鮮度落ちが早いこと。
袋に入っていることが多いので、
なかなか直接触って確認することは難しいのですが、
さやの表面のうぶ毛がしっかりしているものが鮮度の印。
買ったらその日に使いましょう。
じゃがいもや、玉ねぎとは違って、
常備野菜ではないので、
新鮮なうちに美味しくいただく♪と覚えておいてくださいね。
旬はまさに今、4月頃から6月頃です。

見れば見るほど愛らしいそら豆です。
今月は、
「そら豆とにんにくの絶品おつまみ」
を作っていきましょう。

◇材料(4人分)
そら豆(さやつきのもの)500グラム(1袋)
赤唐辛子 1本
にんにく 1かけ

塩・黒こしょう 少々
オリーブオイル 大さじ1

◇作り方
①そら豆はさやをねじり、さやを割って豆を取り出しておく。
そら豆には切り込みを入れる。
(補足)そら豆の膨らんだ部分の外側のフチに対して、
垂直にキッチンハサミなどで、1センチほど切り込みを入れる。
同じ箇所に切り込みを入れて、
その箇所を覚えておくと、この後豆を取り出すときに手際良く作業ができる。

②にんにくは薄切りにしておく。
赤唐辛子は半分の長さになるようにハサミで切り、
切り口から種を取り除いてから輪切りにしておく。

③フライパンにオリーブオイル・にんにく・赤唐辛子を入れ弱火にかけ、
良い香りが出るまで加熱しておく。

④片手鍋に湯を沸かし、塩を入れる(目安は水500cc・塩大さじ1)
切り込みを入れたそら豆を入れ、約2分茹でる。
ザルにあけ粗熱をとってから、切り込みから薄皮をむいておく。

⑤良い香りがしているフライパンに、
薄皮をむいた空豆を入れ、弱火2〜3分さっと炒める。

⑥火を止め、お好みで塩・黒こしょうをかけ、
お皿に盛り付けて出来上がり♪

塩ゆでしたそら豆は、そのままでも十分おいしいです。
そこにもうひと手間加えると、とんでもなく美味しくなるんです。
そのひと手間を「面倒だ」といっていると、出会えない味です。
いきなり難しいことを始めようとすると、
もう全てが嫌になりますから辞めときましょう。
少しずつ、出来そうなひと手間にチャレンジしていって、
だんだんそのひと手間に慣れてきたら、しめたものです。
手作りの美味しさは、そのひと手間に隠されているんです。
出来ることからコツコツ積み重ねていきましょう。
無理はしないで、楽しみながらやっていきましょうね。

今夜はそら豆のベッドで眠る夢を見たいです。
あ、どこでも寝れるタイプだった。笑

【参考資料】
「からだに効く!野菜の新図鑑」宝島社
「基本のお料理ブック』オレンジページ
「そらまめくんのベッド」なかやみわ,福音館書店


農林水産省 公式HP